
サスティナブル・ファッションをGoogleで検索すると「衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来に渡り持続可能であること云々・・・」と定義されています。
かつて、きものは着るものとしての役割を終えると布団や座布団として再利用され最後はおじゃみ(遊具)として使いきっていました。
今は破れるまで着ることがなくなり世代を超えてお召しになる方が増えて参りました。
反物を直線に断って仕立てるので身長や裄やヒップのサイズが違っていても仕立て直して再利用できます。
身丈直し
男性は身長×0.85、女性はおはしおりをとるので身長と同じ長さが必要です。
お祖母さんやお母さんのきものをお嬢さんがお召しになるのに、身長差が5センチを超える場合は「身丈直し」をお薦めします。
特に譲り受けた人の身長が高い場合は必要です。
胸元・腰の縫込み(内揚げ)を出すだけで足りない場合は帯で隠れる部分に別の生地を縫い足すこともできます。
裄直し
きもの姿で手を伸ばす所作はNGなので、手首のぐりぐりから3センチ以内であれば他人からは分かりません。
短さが気になる場合は縫い込まれている部分を出すことができます。
但し下に着る長襦袢が飛び出さないようにしないといけないので、直される場合はきものと長襦袢どちらもお持ちになり相談される必要がありますのでご注意ください。
身幅直し
下前の衿先が左の腰骨に届くジャストサイズをヒップより割り出します。
ヒップよりも広い場合は自分では着にくく、狭い場合は着崩れし易くなるので縫い代を出して直します。
袖丈直し
49㎝5㎜が標準です。
25年以上前は若い頃は華やかさを演出するのに約3.8~7.6㎝長めに作る習慣がありました。
先日、義母様から譲り受けたきものを着れるようにと解いて洗い、染み抜きをしてお仕立て替え下さったお客様より、そのお気持ちをお聴きする機会がありました。
きもののバトンリレーによってご家族の心の絆が深まり受け継がれていくことにとても感銘しました。
「きもの代々永く着れるその良さ」をもっともっとお伝えすべき使命があることをしみじみと感じています。