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梅津千代子の日本のしきたり 結婚式

「日本のしきたり」花通信

結納に続き今回より結婚式について一緒に学んでいきましょう。

自宅で結婚式ということも既に昔話となり、ホテルや結婚式場だけでなくハウスウエディングはじめスマ婚 〇〇婚・・・とスタイル様々です。
中でも日本人らしい結婚式と考えられてか、数年前より「和婚(和装スタイル)」がブームですので今回は「神前式」について書かせて頂きます。

神前式は116年前(明治33年)に皇太子嘉仁親王(大正天皇)と九条節子(貞明皇后)が結婚の儀が宮中三殿に拝礼し、神の前で夫婦の誓いを立てるカタチで行われたのが始まりで、市民から神前での挙式を望む声が上がり、東京大神宮)が結婚の儀を模した形で「神前式」の儀式を新たに創設し国民の間に定着していきました。

式は巫女の先導で新郎新婦、媒酌人、新郎両親、新婦両親、新郎親族、新婦親族の順に入場し、最後に斎主が入場します。そして典儀と呼ばれる司会進行役(巫女が行う場合もある)が式の始まりを宣言し、斎主の拝礼に合わせ一堂が起立して神前に礼。まず斎主が幣を用いて穢れを祓い、一堂は起立したまま軽く頭を下げ、これを受けます。斎主が神前で二人の結婚を神社神と氏神、祖先神に報告する祝詞を奏上し、神の加護を願います。

次に三三九度となります。

一の杯は、新郎が杯を受け、次に新婦、また新郎となる。
二の杯は新婦が受け、次に新郎、また新婦。
三の杯は一の杯に同じ。

一二三の三度の杯を三回ずつ受けるので3×3=9ということで三三九度が成立します。ただ現在は新郎新婦の時間的な制約があるため略式を用いることが多く、その場合は一の杯を新郎が受け、次に新婦がその杯を飲み干す。二の杯は新婦から新郎の順、三の杯は新郎から新婦の順で、どの杯も必ず三口で飲み干すこととなっています。

そして新郎新婦が神前に進み出て誓いの言葉を読み上げます。
新郎が本文を読み、自分の名前の部分は新郎・新婦がそろって読みます。
最後に玉串を神前に捧げ「二拝二柏手一拝」の順で拝礼します。

席に下がるときは神様にお尻を向けないように、お互いに内回りで体の向きを変えます。


新郎新婦に続いて媒酌人、親族代表が玉串を捧げ、両家が親族となった誓いを交わします。

最後に両家の親族、新郎新婦、媒酌人が杯を戴き斎主が式を無事終わらせたことを神に報告し一拝、一堂は起立して拝礼。

その後斎主がお祝いの挨拶をし、一堂で拝礼。斎主退場の後、新郎新婦、媒酌人、親族の順に退場します。

次回は花嫁衣装について書かせて頂きます。