冬の京都の風物詩といえば「吉例顔見世興行」今年は耐震改修工事を経て2年ぶりに「南座公演」とあって11月から2カ月に渡たるの大興行となります。
顔見世は実力・人気共に最高の役者が出演するとあって師走にも関わらず非日常を求め、全国から歌舞伎ファンが沢山来られます。敷居が高く言葉が分からないと敬遠される方もおられますが、イヤホンガイドを使うと舞台の進行に合わせてストーリーや配役の説明などを聴きながら、日頃テレビで見る役者さんの豪華な衣装姿が間近に見れる醍醐味があります。
男性の役者が女形を演じるのは、女性が舞台に上がるのを風俗的に好ましくないと考えた江戸時代の名残りですが、2~3歳から始まる厳しいお稽古を経て身に着けられたお芝居は正に、お家芸で人間国宝ともなれば神々しささえ感じます。
「成駒屋!」などの客席からの掛け声は「大向こう」といい芝居を盛り上げ、役者もそれに応えるだけに絶妙のタイミングがあります。今年も花十色では舞妓さんたちが沢山見に来る総見に合わせて、お客様ときものを着て観劇します。初めての方も、日常の忙しさを忘れゆっくりお楽しみ頂ければと思います。