お知らせ

藤原晴美 「心を耕すきもの」

「心を耕すきもの」花通信

春は卒業式 入学式 お花見ときもの姿が増える季節。今回は十三参りのきものについて皆様と考えてみたいと思います。男子十三歳元服にならい、女子も大人の仲間入りをすべく初めて本身断ちのきものに袖を通すことになります。従いまして「十三参りのきものは?」と尋ねられたなら「赤やピンクなどの可愛い小紋です」とお応えすべきだと思うのですが、最近大人と変わらない体型のお嬢様も多く、レンタルを利用される方も増えていることを考慮すると、もし作るとしたら3つの選択肢をお考えになるべきではないかと思います。

①昔ながらに小紋の反物から仕立てる場合

袖丈が本振袖の2/3の長さ位しか取れませんので、最近小学校でも卒業式で袴姿が増えていますので、せっかくなら小学校・大学の卒業式でも着ることを想定してお作りになられてはいかがでしょうか。

②お母様がハタチの時にお召しになられた振袖がある場合

お母様の振袖をこの機会にお召しになられてはいかがでしょうか。
小物や帯・髪飾りなどを可愛くすることで今のお嬢さんの体型なら着れる方も多いと思います。

③1回でも多く振袖を着たいとお考えの場合

ハタチで着ることを前提にこの機会に振袖をお作りになるのも良いかもしれませんね。
もちろんその後のご成長も考えて寸法には余裕を持たせ、舞妓さんみたいに肩と袂の縫い上げは必要です。

十三参りは虚空蔵菩薩を参り知恵と福徳を授かる儀式ですが、「渡月橋を渡るとき振り返つてはならない」と言われます。その心は法輪寺で和尚と交わした約束を守れるかが試されるということだそうです。
大人への第一歩として昔も今もこれからも一番大切なことかもしれませんね。